脅威・歴史・倫理
Description:... 第3次AIブームが到来し、AIが浸透した社会における深刻な課題や問題が取りざたされてきている。中でも2017年にオックスフォード大学から公表された「近未来では人間の仕事の半数がAIで代替される」という話題の影響は強く、AIに仕事を奪われることに警鐘を鳴らす書籍が数多く出版されている。反面、ビジネス面以外の「AIによる不都合な現実」にスポットを当てた類書はまだ少ない。 本書は著者が所属する理研・革新知能総合研究センター 社会における人工知能研究グループの成果をもとに、AIの負の側面の紹介とAI設計・運用における倫理指針を示す構成となっている。第1章ではシンギュラリティ—AIが人間を超える可能性、第2章ではAIに奪われる仕事の範囲、第3章ではAIの発展の歴史、第4章では現状の「弱いAI」がもたらす数々の問題、第5章ではAI倫理を主軸とした社会制度の対応策について解説している。 AIの技術そのものに関する記述は少なく、人間社会におけるAIの影響という観点から執筆されているため、社会学や社会工学分野の読者にも興味を持たれる内容となっている。【目次】第1章 AI脅威論:概念編1.1 カーツワイルの言う「シンギュラリティ」1.2 ボストロムの言う「超知能」1.3 ユヴァル・ノア・ハラリの言う「ホモ・デウス」1.4 意識とデータ1.5 無用者階級の存在意義第2章AI脅威論:現実編2.1 知的な職業が危ない2.2 AIに脅かされないと言われている職業は本当に大丈夫か2.3 職業が奪われた後のこと第3章 AI技術の簡略史3.1 AIとIA3.2 最初の夏と冬3.3 二度目の夏と冬3.4 三回目の夏3.5 ロボットにおける包摂アーキテクチャの提案3.6 未解決問題3.7 今やらなければいけないことA.1 付録 AIの仕組みの詳細説明第4章 AIの不都合な現実4.1 フラッシュクラッシュ4.2 プロファイリング4.3 プライバシー保護4.4 インターネット中世の暗黒時代4.5 軍事利用第5章 AI倫理の目指すもの5.1 透明性と説明可能性5.2 アカウンタビリティ5.3 トラスト5.4 フェアネス5.5 AI倫理の将来向かう方向5.6 最後にA.2 付録 各倫理指針の項目の要約
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