長子権の回復と享受」を執筆するにあたって
最初「長子権の回復と享受」を書くときには単純に私たちの教会の聖徒たちの 訓練テキストとして考えていました。しかし意外に反応が良かったため、全国 の牧会者セミナーとしても用いました。そこでも想像を超える良い反応が現れ ました。それから祖国の教会と世界の教会に向けてチャレンジしたいという心 で、尊い負担感と使命感に捕らわれこの本を整理しました。
「長子権の回復と享受」を執筆して訓練を行いながら、多くの方々にこのよう な質問をされました。「長子権って何ですか。」そのときは簡単に答えます。 「長子の力を言います」そうすると次の質問をされます。「長子という言葉の 説明が必要ですね。」今日、教会では長子という言葉をほとんど使いません。 ですから長子という言葉があいまいで自然に感じられないのが事実です。
聖書は語ります。「しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々 には神の子となる資格を与えた」(ヨハ1:12)聖書は明確に、イエス様を信じれば 神様の「子」となる「資格」を頂く、と語っています。しかし今日、教会では 「子」は強調しますが、「資格」はあまり意識されることがありません。この 本は「子」と「資格」を共に取り上げています。
私たちが「イエス様を受け入れれば」「神様の子」となります。「子」は 「子」でも「長子」という意味です。その御言葉が聖書のどこにあるか知りた いですか。聖書は旧約と新約で「長子」について明確に語っています。
まず、旧約で「あなたはファラオに言うがよい。主はこう言われた。『イスラエルはわたしの子、わたしの長子である。』(出 4:22)
明確に神様は旧約教会であるイスラエルの民に神の子、神様の「長子」だと語 ります。律法の下にあったイスラエルの民たちも神様の子であり「長子」であ るならば、福音の中で神様の子となった私たちが神様の「長子」であるという ことは言うまでもありません。
また、新約では「天に登録されている長子たちの集会、...」(へブ 12:23)とあり ます。
聖書は天に登録された「長子」たちの集会があると語ります。子羊イエス様の 命の本に記録された「長子」たちということです。子羊イエスを信じる者はす べて、天において長子であるということです。この御言葉を根拠にして「長子 権の回復と享受」を執筆することになりました。
今、韓国教会は深刻な問題を抱えています。それは「子の資格」すなわち「長 子の資格」を受けてないということです。確かに神様は私の父です。私が受け 入れた方はイエス様です。わたしは神様の長子です。にもかかわらずその資格 をほとんど受けていないわけです。ここで私たちは重大な事実に直面します。 私たちが神様の子の資格を受けていないのであれば、二つのうち一つが偽物で す。すなわち、神様とイエス様が偽物か、イエス様を受け入れ神様の子となっ たという私が偽物かのどちらかでしょう。神様とイエス様は私たちと関係なく 絶対者であるので、偽物ではありません。そうであるならば、答えは出まし た。今オウムのように、口先だけで神様の約束の御言葉をしゃべっている私が 偽物であるということです。
この本は聖徒たちに、「私が本物の神様の子であるか。」という本質的な問い かけをうながします。本当は私が神様の子でもないのに騙されてきたのなら、 今からでも悔い改め正しく信じるべきであり、本当に私が神様の子であるなら ば、長子の資格を回復し享受しなければなりません。そのことを目的としてこ の本を書きました。
誰かが私に「先生、長子権を一目瞭然に整理してください。」と質問するなら ば、次のように答えることができます。
第一に、長子権は天国の相続権です。 第二に、長子権は征服と支配権です。 第三に、長子権は命令と宣言です。 第四に、長子権はイエス様の名の使用権です。 第五に、長子権は対話と交わり、要求権です。
この本には次のような特徴があります。
1 大きな、大きな、大きな声で訓練します。
2 強く大胆に命令と宣言が続きます。
3 単純、反復、集中、持続、敢行の訓練の基本原則が強調されます。
4 一対一、小グループ、中グループ、大グループすべてにおいてできるように
作られました。
私は教会を開拓して今日まで至りました。300名あまりの聖徒たちと共に、17年 以上停滞した荒れ野の訓練を受けて苦しんだことがあります。そのときふさわし い訓練テキストが探せなくて大変だった記憶があります。今この時間にも、この 地で多くの同役者たちが自分の牧会状況に合う訓練テキストに出会えなくてイラ イラしているかもしれません。これではいけないと思いながらも、道が見えなく て結果として聖徒たちを放置してしまっている、未自立の開拓教会があるかもし れません。そのような教会を念頭に置いて、この本を整理しました。
この本は課ごとに最後に言語訓練の箇所があります。その部分は私ではなく、私 の愛する弟子であり同役者であるキョンギ第一教会のカンカンジュン牧師とソミ ンジョン牧師夫人のアイディアを借りたものです。韓国教会と世界教会に仕える カン牧師夫妻と同役できることがが恵みであり祝福であると告白し、同時にハン バッ第一教会に共に仕えたすべての同役者たちに心からの愛を伝えます。
何よりも、「長子権の回復と享受」を載せたこの訓練テキストを通して、多くのクリスチャンが「長子」のアイデンティティを回復し、「長子」の「資格」 を受けるように願います。
35年余り、足りない僕を信じ、仕えて、従順してきたハンバッ第一教会の聖徒 たちに、深い感謝の気持ちを伝えます。同役するすべての教職者、すべての奉 仕者、按手執事、長老に熱い感謝の気持ちを伝えます。そして誰よりも、生ま れ変わっても唯一の伴侶である我が愛する妻ソンスンクンと、宝の中の宝であ る子供たちソンジュン、ウンヘ、チュンマン、ボヘと、可愛い孫娘ハヒに深い 愛を伝えます。
すべての尊厳と栄光と賛美を、ただ三位一体の神様に捧げます。
李永焕 牧师